朝鮮第4代国王・世宗の時代。これまで朝鮮には自国語を書き表す文字が存在しておらず、上流階級層だけが特権として中国の漢字を学び使用していた。この状況をもどかしく思う世宗(ソン・ガンホ)は、庶民でも容易に学べて書くことができる朝鮮独自の文字を作ることを決意。そこで、低い身分ながら何カ国もの言語に詳しい和尚シンミ(パク・ヘイル)とその弟子たちを呼び寄せ、協力を仰いだ。王を取り巻く臣下たちは、国の最高位である王様が最下層の僧侶と手を取り合い、庶民に文字を与えようとしている前代未聞の事態に激しく反発。逆境と葛藤のなか、世宗大王とシンミは民へ贈る新たな文字作りに突き進んでいく─。
『パラサイト 半地下の家族』で国際派スターへ躍進したソン・ガンホが、全ての民が文字を読み書きできる国を夢見た世宗王を演じる。天性の演技派俳優パク・ヘイルは、王に反発心を抱きながらもいつしか支え合うシンミに扮し、静かな姿のなかに熱い情熱を思う存分込めた。本作が遺作となったチョン・ミソンが王后役として登場し、三人にとっては『殺人の追憶』以来16年ぶりの共演作となった。また、人気ドラマ「愛の不時着」のタン・ジュンサンが若き僧侶役で登場する。『王の運命 -歴史を変えた八日間-』の脚本で「映画評論家協会賞 最優秀脚本賞」ほか多くの賞に輝いたチョ・チョルヒョンが、本作で待望の監督デビューを飾り、脚本も担当。のちにハングルと呼ばれる「訓民正音」創製のドラマティックな展開を主軸に、王と逆臣とのスリリングな対立や、王家が直面する哀しき運命など重厚な見どころが折り重なる史劇エンターテインメントが誕生した。