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大地と白い雲

2021年8月21日(土)岩波ホールほか全国順次公開

東京国際映画祭 コンペティション部門 最優秀芸術貢献賞
変化を求める男とこのままでいたい女。
激変する時代の波が押し寄せる内モンゴルを舞台に描かれる、ある夫婦の物語。

内モンゴルの草原に暮らす一組の夫婦。夫のチョクトは都会での生活を望んでいるが、妻のサロールは今の暮らしに満足している。ここではないどこかへ思いを巡らせ、ふらりといなくなるチョクトに腹を立てながらも、彼を愛するサロール。だが、草原にも変化が訪れ、徐々に二人の気持ちがすれ違いはじめる。どこまでも続く大地、空を流れる白い雲。羊は群れをなし、馬が草原を駆けぬける。悠久の自然の中で揺らぎ続けるチョクトとサロールの心。そして、ある冬の夜、二人は大きな喪失を経験する。その夜を境に、サロールと草原で生きる覚悟を決めたチョクトだったが…

愛する人と共に生きていきたい、ただそれだけのことがうまくいかない不器用でまっすぐな夫婦を演じるのは、放牧民の家庭で生まれ育った俳優のジリムトゥと歌手のタナ。中国エンターテイメント映画の俊英ワン・ルイ監督が、内モンゴル出身の俳優やスタッフたちとともに、モンゴル語で挑んだ本作は、中国映画に新たな可能性と多様性を提示し、中国最大の映画祭である金鶏百花映画祭で監督賞を受賞するなど、高い評価を得ている。北京電影学院の教授も務めるワン監督が、自身の過去の痛みに向き合い、亡き妻に捧げた夫婦の愛の物語。

監督:ワン・ルイ 脚本:チェン・ピン 原作:「羊飼いの女」漠月著
撮影:リ・ウェイ 編集:ジョウ・シンシャ 音楽:ジン・シャン
出演:ジリムトゥ、タナ、ゲリルナスン、イリチ、チナリトゥ、ハスチチゲ

2019年/中国映画/中国語・モンゴル語/111分/字幕:樋口裕子/字幕監修:山越康裕
配給:ハーク  配給協力:EACH TIME